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1分で分かる!2024年インドネシア大統領選挙の現状


大統領候補討論会閉会後の3候補 (左からガンジャル候補、プラボウォ候補、アニス候補)


今年は、インドネシア大統領(2月14日)と、州知事・県知事・市長などを決める統一地方首長選(11月27日)の年にあたります。インドネシアにいらっしゃる方は、テレビのニュース番組や街頭のポスターやノボリなどで選挙戦が近いことを実感されていらっしゃるのではないでしょうか。


さて、今回は、今年の大統領選挙について押さえておくべき点に絞って、現状を説明したいと思います。


顔ぶれ

インドネシアの大統領選挙は、大統領と副大統領のコンビで選挙戦を戦います。まず、それぞれの顔ぶれを簡単にご紹介したいと思いますが、押さえておきたいポイントとして、ジョコ現大統領(ジョコウィ)が支持率80%超と国民から絶大な支持を受けており、今回の大統領選挙で強い影響力を持っているという点です。



ガンジャル/マフッド組

  • 大統領候補:ガンジャル(Ganjar Pranowo)前中ジャワ州知事、55歳

  • 副大統領候補:マフッド(Mahfud MD)政治・法務・治安担当調整大臣、66歳

  • ポイント:支持政党のうち、ジョコ大統領の出身である「闘争民主党」が推している。闘争民主党はメガワティ元大統領が党首を務めており、中国とのパイプもあると言われている。しかし、最近ではジョコ大統領が、メガワティと袂を分かち、次に紹介するプラボウォ・ギブランを推しているのが明確になりつつある。政策は、基本的にジョコウィ路線の継承であり、独自性も打ち出せていない。そんなこともあり、かつては時期大統領候補No.1と言われたものの、現在は人気は伸び悩みを見せている。



プラボウォ/ギブラン組

  • 大統領候補:プラボウォ(Prabowo Subianto)国防大臣兼グリンドラ党党首、72歳

  • 副大統領候補:ギブラン(Gibran Rakabuming Raka)ソロ市長、ジョコ・ウィドド大統領の長男、36歳

  • ポイント:ジョコウィの長男が副大統領候補という点と、過去2回ジョコウィと大統領選挙を争い、現在はジョコウィ政権に入閣したプラボウォが大統領候補である点がポイント。今回の候補者の中で最も高齢であるプラボウォは感情的になる面があり、討論もうまくこなしているとは言い難いが、最近はAIで作ったプラボウォを模したお茶目なキャラクター(Gemoy: 太っちょ)が特に若者の間で人気を博し、今のところ次期大統領に最も近いと言われる。


プラボウォ候補の「太っちょおじさん」キャラ。




アニス/ムハイミン組

  • 大統領候補:アニス(Anies Rasyid Baswedan)前ジャカルタ首都特別州知事、54歳

  • 副大統領候補:ムハイミン(Abdul Muhaimin Iskandar)国会副議長兼民族覚醒党(PKB)党首、57歳

  • ポイント:アホックがイスラム教を冒涜する発言をした罪でジャカルタ特別州知事を退任させられた後、選挙で当選したアニス前ジャカルタ特別州知事。その際、イスラーム強硬派の強い支持を受けたため、イスラームイメージが強い。首都移転に反対の姿勢。支持率では、プラボウォ、ガンジャルの後塵を拝しているものの、最近の調査では追い上げを見せている。



最近の支持率

というわけで、ジョコウィの影響(後押し)があるプラボウォ・ギブラン組が、最も正副大統領の席に近いといわれています。特に最近は、ジョコウィは、プラボウォ支持を明確にしつつあり、その背景としてプラボウォが過半数の50%以上で勝利すれば、決選投票を避けられるという思惑があるようです。


ちなみに1月18日に行われた世論調査(調査会社LSI)では、プラボウォ氏の支持率は47%で、ガンジャル氏25%、アニス前ジャカルタ特別州知事23%となっています。(次の記事では、ビジネスに与えるインパクトについて、簡単に説明します。)




(参考)

「続・インドネシア政権ウォッチ」NNA ASIA 松井和久氏

「インドネシア大統領選、ジョコ氏が国防相支持を鮮明に」日本経済新聞2024年1月19日

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