弊社が協力しているインドネシア・アチェ州の国立トゥク・ウマール大学(UTU)において、10月1日のコーヒーの日を記念し、2024年10月23日に、同大学の農業経済学プログラムと農学部は「日本およびヨーロッパ市場におけるアチェ・コーヒーの可能性と市場レビュー」と題したトークショーイベントが開催されました。
開会にあたり、UTUのイシャク学長は、今回のイベントを主催した農業経済学プログラムおよび農学部への深い感謝の意を表明した上で、「農学部と農業経済学プログラムがこのイベントを立ち上げたことを大変評価しています。UTUの学生たちが持つ知識、崇高な人格、スキルが、将来の活躍に繋がることを期待します。これは、地元産品の競争力をグローバル市場で向上させるための戦略的な一歩でもあります」と、イシャク教授は述べました。
当日登壇し講演をおこなったのは、弊社代表の佐藤守彦、ボゴール農科大学(IPB)のアンドリヨノ・キラット・アディ博士、そしてアチェ州ブナール・ムリアにある、著名な
スラダン・カフェのオーナー、ゲンベル氏が、順番にコーヒーの日本市場について、ヨーロッパ市場について、そして実務家の視点からコーヒーの倫理と哲学について語りました。
弊社代表の佐藤は、日本のコーヒー文化の変遷と現在を説明した上で、環境に配慮したコーヒー豆作りだけではなく、コーヒー豆を調達する企業の視点から、関係する方々の人権なども配慮したSDGsに沿ったのコーヒー豆栽培を、アチェ州やUTUが率先して取り組むことを提案しました。
2番目の登壇者のアンドリヨノ博士は、国際農業経済の専門家で元EU農業外交官の視点から、EU市場におけるアチェ・コーヒーの可能性について、ヨーロッパにおける有機コーヒーの消費増加や持続可能性へのトレンドが、アチェのコーヒー農家が採用している再生可能農業の手法と一致していると指摘しました。
最後の登壇者ゲンベル氏は、コーヒーが単なる商品ではなく、文化と団結の象徴であることを強調しました。「コーヒーは物語を共有し、団結を築くための手段です。コーヒーを通じて、私たちはより深い文化や人生哲学に触れることができます」と彼は述べました。
このイベントは、グローバル市場における「アチェ・コーヒーの将来」に対する参加者の関心を高め、地元のコーヒー産業の品質と持続可能性の向上に向けたインスピレーションを与えたものと期待されています。