弊社代表の佐藤守彦は、2024年8月26日にアチェ特別州顧問*であるWali Nanggroe Aceh(トゥンク・マリク・マフムード・アル・ハイヤル)およびWali Nanggroe Institutionの外交を担当するMohammad Raviq氏と、Wali Nanggroe Aceh宮殿において会談を行いました。この会談は、国立トゥク・ウマール大学(UTU、アチェ州ムラボー)のAman Yaman副学長のイニシアティブにより実現し、会談には同副学長に加え同大学農学部学部長や同学部の教授も参加いたしました。
会談では、今年12月にアチェの津波被害から20周年という節目の年を迎えるにあたり、アチェ州の復興と産業発展を国内外に強く発信していくことの重要性を確認し、その具体的な計画として、経済特区の設定やアグロ・マリン産業と地域経済の活性化に向けた取り組みが協議されました。当社は、本年6月に締結したUTUとの覚書(MOU)に基づき、アチェ州の国際的な認知度向上や農業を含めた州内産業の活性化に向けて共同プロジェクトを推進しています。
佐藤代表は、「アチェ州は、豊かな天然資源を有しており、農業やエネルギー産業、観光業などにおいて更なる発展の可能性を秘めています。特に、津波被害20周年という本年12月から翌年2025年は世界的に関心が高まることが予想されるため、アチェの魅力を世界に発信するとともに、経済特区の設立など持続的な産業の発展においては、UTUをはじめとするインドネシアと日本の教育機関、アチェ州やインドネシア国の行政機関、地域コミュニティおよび日本とインドネシアの企業が協力して取り組むことがとても重要であると認識しています」と述べました。
Wali Nanggroe AcehとMohammad Raviq氏は、「過去にはアチェ州サバンを自由貿易地域と設定するなどの取り組みもありましたが、今はストップしている状況です。現在は、州内の流通効率化に向けてアチェ州のトレード・ディストリビューション・センター(ATDC)の設置を積極的に進めています。私たちも、津波からの復興の歩みを世界に示し、アチェの力強さを知ってもらうことは重要だと認識しておりますし、インドネシアと日本企業の積極的な関与と投資は、アチェ州の経済発展に大きく貢献するでしょう」と期待を表明しました。
本年は、新しいインドネシア大統領の就任を10月に、またアチェ州知事の選挙を11月に控え、今後 国と州の行政とWali Nanggroe Aceh氏(Wali Nanggroe Institution)が結束して産業活性化に取り組みを始めることが期待されており、アチェ州は目を離せない地域の一つであります。当社は、今後もアチェ州との連携を強化し、同州の産業発展と日アチェ関係の深化に貢献してまいります。
*Wali Nanggroe Acehは、直訳的にはアチェ州の守護者ですが、宗教的、文化的、慣習的にアチェ州のリーダーであり、アチェ州に関して国と州の行政に提言できる特別な存在となっております。今回、弊社がWali Nanggroe Aceh氏との会談は、同氏の同州における影響力に加え、本年11月末にアチェ州知事選挙が行われ新知事就任の可能性が背景にあります。
なお、Wali Nanggroe Aceh氏との会談に先立ち、バンダアチェ市の国立シアクアラ大学のTaufiq Saidi副学長(プランニング/パートナーシップ/ビジネス担当)とAgussabti副学長(学術担当)および、国立イスラム大学アル・ラニリ校のDirhamshah科学技術学部長と面会し、本年のアチェの津波被害から20周年にあたっての取り組みや今後のアチェ州の経済発展について、高等教育機関/行政/地域コミュニティ/日イ企業が共同して取り組むこと(コンソーシアムの設立など)の重要性について意見交換しました。