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1分で分かる!2024年インドネシア大統領選挙のビジネスへの影響


Foto: Bakal calon Presiden (Capres) Prabowo Subianto nomor urut 2, saat menyampaikan visi dan misi dalam debat ketiga yang digelar di Istora Senayan, kompleks Gelora Bung Karno (GBK) pada Minggu (7/1/2024). (CNBC Indonesia/Faisal Rahman)


今年は、インドネシア大統領(2月14日)と、州知事・県知事・市長などを決める統一地方首長選(11月27日)の年にあたります。インドネシアにいらっしゃる方は、テレビのニュース番組や街頭のポスターやノボリなどで選挙戦が近いことを実感されていらっしゃるのではないでしょうか。


さて、今回は、今年の大統領選挙について押さえておくべき点に絞って、簡単にビジネスへの影響を説明したいと思います。


行政サービス

ビジネスに目を転じますと、大統領選挙の懸念として、これまで前の大統領が進めてきたプロジェクトが取りやめになったり、行政サービスなどが滞ることが挙げられます。前回の選挙(2019年)は、前々回(2014年)と顔ぶれが同じでした(ジョコ現大統領(以下ジョコウィ)とプラボウォ国防相)し、ほぼジョコウィ勝利が確実視されておりましたのでそのようなことはありませんでしたが、2014年以前までは、スハルト政権崩壊以降、そのようなリスクが取り沙汰されておりました。


例えば、行政への申請の許認可が下りるのに通常より時間がかかるといったものです。事実、外国人の労働許可やVISAもなかなか下りないということがありました。これは、行政が、大統領が変わることによる政策転換への様子見をしていると考えられます。


政策の違い

さて、その政策についてですが、各候補が主張する政策(詳細は割愛します)は、当然のことながら異なる点があります。東カリマンタンへの首都移転については、ジョコウィが推しているプラボゥオと、闘争民主党が推すガンジャルは首都移転についてしっかりと明言しています(この2候補の政策は、違いはあるものの、ほぼジョコウィ路線を継承)。


一方、気になるのが、発表している政策において首都移転について全く言及していないアニスとなります。これにより、「(アニスが)仮に当選すれば新首都移転が白紙になる可能性も考えられる。」(第一生命経済研究所主席エコノミスト 西濱徹氏 2024.1.18)と指摘する識者もいます。首都移転は、インドネシアの財界では、すでにPoint of No Returnの段階に入った(JJC広報文化部会長/双日インドネシア社長 板垣氏2023.12.4)と観る向きも多く、仮にアニスが大統領になれば混乱は免れないでしょう。



ジョコウィとメガワティ闘争民主党党首との確執

ジョコウィは、闘争民主党党員であり、過去の選挙は同党の候補者として大統領選を戦い勝利してきました。しかし、今回の選挙では、同党がガンジャルを候補として推し始めた頃から、圧倒的国民人気を誇るジョコウィとの間に隙間風が吹きはじめたと取り沙汰されています。これは、ジョコウィの長男ギブラン氏が、グリンドラ党党首のプラボウォ大統領候補の副大統領候補として名を連ねた時に決定的になったと言われています。

(写真は、闘争民主党の決起集会に参加したジョコ大統領㊨とメガワティ元大統領(2023年6月、ジャカルタ)。日本経済新聞


決選投票有無が焦点

大統領選挙は、3人以上の候補者がいる場合、トップの候補が過半数の票を獲得できなければ決選投票になります。現在、プラボウォが過半数を伺う支持を集めながら、ジョコウィがあからさまに接近しているのは、この決選投票を回避したいという思惑があると言われています。


仮に、一回目の投票で決着がつかずガンジャルが敗れると、プラボウォとアニスで6月26日に決選投票となります。そうなれば、行政サービスの遅滞も予想されますし、何よりも首都移転が不透明になります。これは、ジョコウィと確執があるといわれる闘争民主党が、プラボウォにつかずアニスにつけば、アニス大統領の誕生もあり得なくは無いからなのです。




(参考)

「続・インドネシア政権ウォッチ」NNA ASIA 松井和久氏

「インドネシア大統領選、ジョコ氏が国防相支持を鮮明に」日本経済新聞2024年1月19日

「インドネシア大統領選、第1回投票へ残り1ヶ月を切るなかでその行方は」第一生命経済研究所 西濱徹氏2024年1月19日


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